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恋愛がテーマ。誰かにとって「不要」となった素材で作り上げる、一点物ブランド「nisai」

恋愛がテーマ。誰かにとって「不要」となった素材で作り上げる、一点物ブランド「nisai」

2021.06.04

性別、年齢の垣根を越え、パートナーとシェアしたくなる。「これいいんだよ」ってプレゼントしたくなる。そんなアイテムをご紹介します。

毎日の好きより、1つのおそろいが欲しい|vol.1 nisai

「nisai」のデザイナー・松田直己氏は、忘れられない失恋をきっかけに服作りをスタート。
恋愛をテーマに制作活動をしており、すべて一点物。
素材は、古布、古着、アンティークのボタン・レース素材、残反(国内生地メーカーが自社商品用に生産したものの余って廃棄している生地)のみを使用。
その理由は、「誰かに不要とされたものを使って作ることにロマンを感じる」ことから。

服をデザインする際は、「愛とエゴ」を一番大切にしているという。
「感覚的、即興的に取り掛かって、手作業で辻褄を合わせたり細部まで調整していく、そういった作り方を第一に心掛けています。
そのほかにも、
・左右対称すぎないこと
・体型変化に寄り添えるようなフリーサイズ感を取り入れること
・意味だけを追いかけず、無意味なディティールも愛すること
・元の素材となる古着の良さを打ち消さないよう再構築すること
・出身や年代のことなる異素材を組み合わせること
・プレイフルであること、そして素材を使い切ること
とすべての服に松田氏のこだわりが詰まっていることがわかります。

パートナーとシェアしたい、ビッグサイズのアウター

「HOPES AND LORE" Over Heavy military Jacket, reconstructed from mix vintages 66,000円(税込)」のポイントは3つ。

1.フリーサイズの拡張

190cm以上の男性でもフリーサイズ感を感じるくらいの超極端なサイズでの再構築

2. 「再現不可能性」への追求

一点物のみを展開する「nisai」では 生地の値段や量、縫製数から価格を決めるのではなく、”再現不可能性” を軸に価値を決定。

3. 非機能性と遊び心

閉じられたポケット、物が落ちていくポケットなど、機能を失ったディティールを随所に配置。

デザイナーInterview

――「nisai」の服をどんな人に届けたい?
「体型や性別っていうくくりとは別のところにフックがあるブランドでありたいと思っています。例えば、ときめきや愛が詰まったものを大切にする人、手製のものや細部まで意味や効果のあるような、こだわられたものが好きな人。ターゲットを作って、そこへ目掛けて打ち込むというより、制作と発表を繰り返すことで来てくれるお客さん、出会う人との関わり、対話で進化していったブランドだから、これからもそこを大切にしていたいと思っています」

――ブランド立ち上げで一番苦労したことは?

「『惚れて通えば千里も一里』という好きなことわざがあります。恋人に会いに行くためなら、千里もの遠い道のりでも一里にしか感じないほど苦にならない。恋人に限らず、道の先で求めていた何かに辿り着けたなら、どれだけ長く苦しかった道のりでも一瞬に感じるというたとえです。

ブランド初期、売上が出せずガス水道止められながらも服を作っていた日々。ブランド3年目、展示会来場者数1人で大赤字だった時。そして東京コレクションの準備期間の全て、など、苦労したことは話し出したらキリがない。でも、いつもその先で何かの光に出会えてきたから、『苦労した記憶』はあっても『その度合い』までは思い出せない。惚れて通えば千里も一里だから、全部は過ぎた一瞬なんです」

――3月、表参道・スペース オーで行った初のランウェイショーを終えてからなにか変化はありましたか?

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「ショーと展示会をメディアで紹介していただく機会が増え、認知度がアップ。そこで、ブランド運営方針とマッチするセレクトショップ・百貨店との取引も増えました。

全て一点物で、手作業で制作発表するブランドの運営方法では、どうしても既存のアパレル的な機動力には欠けていたのですが、だからこそ作れる作品、展開を求めてくれた方々との相補関係を築きながら、生産体制をより強化していきながらコンスタントに発表していく年にしたいと思っています」

――今後の展望を教えてください。

「若手ブランド登竜門的なアワードや、二度目の東コレ出展も視野に入れています。3月に行ったショーは、コロナ感染対策で、来場可能数や機動力にかなり制限があった中での開催でした。そういった制限下でも初のショーをやることには意味と効果があったけれど、次回は、今よりも収束が期待されるであろう来年春、制限が削減された中での、顧客やお世話になった人、新規層をより多く呼び込めるような大きな規模感のショーを行いたい。

それに向けても、秋頃には制作スペースを拡大するためのアトリエを引っ越しすることを第一の目標に。でもあくまで自分らしさと自由さを最優先に、そして愛を忘れずに活動していこうと思っています」

――ありがとうございました!
Profile

会えなくなった恋人を振り向かせる為、独学で服作りを初め、ブランドを立ち上げ、「不純異装交遊」をテーマに制作活動発表を行う。

不純、正道ではない形や構造、色数が多い状態。異時代や異素材の素材や要素が共存していること。手作業や、人と人との交遊・化学反応で生まれるもの。その三要素を肯定し続けるブランドであることを課題とする。

「見えないものを見えるようにする」という20世紀の画家パウル・クレーの色彩感覚と、いつか誰かに不要とされた古着・古布・リボンに、ブランドテーマとの共通項を見出し、それらを解体再構築した一点物を製作する。

Information

ブランド名 nisai
公式サイト https://nisaitoyou.com/
公式Instagram https://www.instagram.com/nisaitoyou/
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