
アップサイクルとは?リメイクと何が違う?<注目の人気ブランドも紹介>
2022.03.15
アップサイクルとは、不要なものを宝物に換えるサステナブルな考え方のことです。アップサイクルは昨今、アパレルやインテリア業界のトレンドキーワードにもなっています。今回は、アップサイクルの意味や、似たような意味を持つ言葉との違いなどについてわかりやすく解説します。
INDEX
- アップサイクルとは
- アップサイクルの意味
- アップサイクルの歴史
- アップサイクルに近い言葉と意味の違い
- remake(リメイク)
- recycle(リサイクル)
- reuse(リユース)
- reduce(リデュース)
- アップサイクルのメリット
- 新しい付加価値を与えることで長く使える
- 地球への負荷を抑えることができる
- アップサイクルに通じる!サスティナブルに取り組むブランド
- coxco(ココ)
- blue serge(ブルーサージ)
- アップサイクルのアイテムを選ぶポイント
- 元の素材が生かされているアイテムを選ぶ
- 好きなデザインのアイテムを選ぶ
- アップサイクルを知り、環境に優しいファッションを取り入れよう!
アップサイクルとは
いま私達が、環境のために行うべき取り組みとして求められているのが、ゴミの排出量を考えること。ゴミという概念が減れば、捨てるモノに対する考え方が変わり、やがてはゴミのない持続可能な社会が実現するかもしれません。ここではリサイクルの進化版とも言える、アップサイクルの意味と歴史について紹介します。
アップサイクルの意味
製品の良さを活かしてより良いものに生まれ変わらせるのが、アップサイクル。正にゴミを宝物に換えるサスティナブルな考え方の1つで、そのモノ自体の価値を高めます。
ちなみに、アップサイクルと対を成す言葉にはダウンサイクルがあり、リサイクルの過程で素材の良さが損なわれることを意味しています。例えば廃棄する予定の衣類を雑巾にしたり、燃料にしたりすることはダウンサイクルと言えるでしょう。
アップサイクルの歴史
アップサイクルの始まりは、1994年10月11日にレイナー・ピルツがアップサイクルとダウンサイクルについて語ったことだとされています。ドイツメディアのSalvo Newsで取り上げられ注目を集めたことで、アップサイクルという言葉が認識されたようです。
アップサイクルに近い言葉と意味の違い
アップサイクルを知ると、remake(リメイク)やrecycle(リサイクル)とはどこが違うのか疑問に思う人もいるでしょう。ここではよく耳にするアップサイクルに似た言葉と、それぞれの違いについて説明します。
remake(リメイク)
リメイクとは、作り直すという意味を表す言葉です。再生利用を意味しており、元の製品に手を加えることで再び使えるようにします。付加価値を新たにつけるという意味では、アップサイクルに近いとも言えるでしょう。ファッション用語としてもよく使われるため、広く認知されています。リフォームとも近いイメージを持つ言葉ですね。
recycle(リサイクル)
リサイクルも再生利用を意味しています。廃棄物から価値あるものに変えるのでアップサイクルに近いですが、同じではありません。リサイクルは、1度資源の状態まですべて戻し、それを原材料として新たな製品を作ることを指しています。例えば、ペットボトルから化学繊維にしたり牛乳パックをトイレットペーパーにしたりします。
reuse(リユース)
リユースは、製品をそのまま再使用することを意味しています。例えば飲み物が入っていたビンを洗ってインテリアにしたり、フリマアプリで売買したりするのもリユースに当てはまるでしょう。リユースはあくまでもアイテムに手を加えないのが、原則です。
reduce(リデュース)
ゴミの発生を抑制する取り組みなどをリデュースと呼びます。例えばゴミになるようなものを購入しないこともリデュース。同じ商品でも包装の少ない製品を買ったり、今では当たり前になっているマイバックを利用したりすることなども、リデュースの代表的な取り組みです。
アップサイクルのメリット
不要なものに価値を見出し、商品として蘇らせるアップサイクル。ここでは、アップサイクルにどんなメリットがあるのかを詳しく紹介します。
新しい付加価値を与えることで長く使える
リメイクやリユースにより作られた製品の寿命は、基本的に長くないと言われています。その点アップサイクルは、「新しい」モノに生まれ変わらせることで付加価値が付き、モノ自体の寿命が延びて長い期間使えます。また、自然界での資源を新たに必要としない点も、メリットと言えるでしょう。
地球への負荷を抑えることができる
アップサイクルはそのままの形を活かすため、再生時のエネルギー利用が抑えられます。例えば、リサイクルは原料を溶かすためエネルギーが必要です。また、輸送時にはCO2を排出します。さらに原料を溶かす工場も作るため、コストも膨大です。その点アップサイクルは、地球への負荷を最小限で抑えられるのです。
アップサイクルに通じる!サスティナブルに取り組むブランド
ここ近年のエシカルブームの流れにのり、積極的にアップサイクルに取り組むブランドもあります。ここでは、日本でも積極的にアップサイクルと向き合うブランドを紹介していきます。
coxco(ココ)
2020年に設立されたココ。社会課題を解決するファッションブランドとして注目を集めています。大量に生産されたアパレル製品は、地球環境に大きな問題をもたらす現代社会の課題の1つです。そんな廃棄残布問題に向き合い、きっかけを提供するブランドです。
アイテムはデットストック生地をアップサイクルしたもの。倉庫に眠る大量の上質な生地から、いつまでも⻑く着ることのできるスタンダートな服作りを行っています。ファッションを通して、サスティナブルな価値観を広げていくことを目的としています。
blue serge(ブルーサージ)
SDGsに特化したブランドでもあるブルーサージ。SDGsとは持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)のことで国際社会共通の目標です。ブルーサージのアイテムは、デッドストック素材を利用し、環境に配慮した生産工程を経た生地で作られています。持続可能なものづくりや、トレンドに左右されずに長く愛用できるデザインにするなど、ファッションから希望と喜びに満ちた社会を作ることを目標としています。
no-ma's Feature vol.2 -blue serge- - no-ma

ブランドのストーリーを紐解く「no-ma's Feature」。「no-ma」ポップアップイベントに参加してくださった魅力溢れるD2Cブランドの誕生秘話から商品に込められた想いをご紹介。
アップサイクルのアイテムを選ぶポイント
アップサイクルは、近年多くのブランドで取り入れられています。今後は、商品選びの際にアップサイクルであるかどうかも1つの基準になるでしょう。ここではアップサイクル商品を選ぶ際のポイントをお伝えします。
元の素材が生かされているアイテムを選ぶ
形を大きく変えるのは多くの工程が踏まれているため、その分環境には負荷がかかっていることを意識しましょう。アップサイクルのアイテムを選ぶなら、そのままの素材が生かされていることが大事です。
好きなデザインのアイテムを選ぶ
環境に優しいと言う理由だけで、商品を選ばないことも大切です。買ってみたものの、使わなければ結局意味がありません。長く大事に愛用できるように、自分が好きなデザインのアイテムを選びましょう。お気に入りの1着なら、アップサイクルで長くなった製品寿命を、さらに延ばしていけそうですね。
アップサイクルを知り、環境に優しいファッションを取り入れよう!
トレンドにもなりつつある、サステナブルファッション。エコを超え次をゆくアップサイクルなら、まだ使えるのにもかかわらず捨てられてしまう衣服ロス対策につながります。1人1人が環境に配慮したファッションへの理解を深めれば、未来も変化するかもしれませんね。