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生産者がわかる「トレーサビリティ」 導入のメリットと具体的な事例【国産牛と和牛の意外な違い】

生産者がわかる「トレーサビリティ」 導入のメリットと具体的な事例【国産牛と和牛の意外な違い】

2021.07.10

トレーサビリティとは、「trace(追跡)」と「Ability(可能)」を合わせた造語であり、生産、製造、流通、消費者まで、どのように製品が移動したか管理できるシステムです。本記事では、トレーサビリティの重要性やメリット、導入している企業や身近な事例などについて解説します。

トレーサビリティとは?重要性と種類

トレーサビリティは、製品の生産から消費者に届くまでを管理できるようにするシステムです。商品になにか問題が発覚した場合、どこで問題が起きたのか、いつ作ったものなのかをすぐに把握できる仕組みは、迅速な対応のためにも重要です。まずはトレーサビリティについて詳しく解説します。

トレーサビリティの概要と重要性

トレーサビリティとは、「Trace(追跡)」と「Ability(可能)」という英語を合わせた造語で、日本語では「追跡可能性」という意味です。製品の生産から流通、消費者へ届くまでの記録を残すことで、なにか問題が起こったときに原因を追究できるようになります。きちんと生産から管理するため、消費者の安全を守ることが可能。幅広い業界で採用され始めていますが、特に食品、医薬品、車など、人命に関わる業界で活用されています。

追跡方法は2タイプ

トレーサビリティの追跡方法は2つあります。
トレースフォワード  
製品工程の最初を上流(川上)、消費者へと流れていくのを下流(川下)と例えて、川上から順に捜索していく方法です。例えば、異物混入した食品があった場合、どの工場でいつ作られたものかが判明しているのならば、消費者へ届くまでの流れを追って、特定製品の回収が可能になります。
トレースバッグ  
消費者等の下流から生産者の上流に向かって問題の原因の捜索をする方法です。例えば、消費者側で、製品の不備を見つけたとすると、それを販売し、製造した会社の流れを逆流して追うことで、原因を特定します。

トレーサビリティは2種類

トレーサビリティも2種類に分類できます。
チェーントレーサビリティ  
複数の企業の間で製造する製品に対して、どのように流通していったか分かるようにする方法です。原材料から生産・加工・卸売り・消費者まで一貫した情報が管理される仕組みで、企業のみでなく消費者も商品の流れを確認することが可能です。
内部トレーサビリティ  
1つの企業の中で、どのように製品が移動していったかを管理する方法です。導入しやすく、品質の向上や作業の効率化をしやすい特徴があります。

トレーサビリティの導入で生まれるメリット

トレーサビリティを導入できると、製品を作る企業側にも、消費者側にもメリットがあります。そのメリットについて、紹介します。

企業のリスク管理ができる

トレーサビリティを導入することで、製品の流通管理ができ、なにか問題が起こったときに企業の対応が早くとれます。もし不良品が見つかった場合は、いつ作り、どの工場を経由して、どの店に行ったのか特定でき、すぐに回収できるため、被害を最小限に食い止められるでしょう。

企業の信頼度がアップする

トレーサビリティを導入していることで、管理を透明化していると認知され、安全性に配慮している会社というイメージを持ってもらえます。トレーサビリティは安心安全のための取り組みなので、消費者も安心して購入できるでしょう。

顧客満足度が上がる

昨今は、消費者は購入品が安心・安全に配慮されているか気にする人も増えました。トレーサビリティを取り入れていると、製品がどのように作られ、手元に届いたのかわかるので、消費者も安心して購入できます。

無駄を削減できる

もし、問題が起こったときに、トレーサビリティを利用すれば、原因の追跡に掛ける手間が従来より短縮できます。例えば食品の異物混入があった場合、どの工場で作られどの店で販売されたかがすぐに分かり、消費者にできるだけ早く勧告できるでしょう。また企業側で川下の消費者のデータを把握でき、生産スケジュールなどの計画も立てやすくなり、無駄が減らせます。

トレーサビリティの具体的事例

トレーサビリティは、生活のなかでもとても役に立っています。トレーサビリティに注目が集まった狂牛病問題を始めとする、企業のトレーサビリティの取り組みについて2つの事例を紹介します。

狂牛病(BSE)問題

トレーサビリティについて注目が集まった事件が、2001年に発生した狂牛病(BSE)問題です。BSEは、牛の脳に異常プリオンと言われる物質が溜まり、脳がスポンジ状になり、異常行動などを起こす病気です。BSEに感染した牛が、国内で発見され、またアメリカからの輸入牛肉からも発見されました。そこから、対策として牛1頭ずつに識別番号を付け、管理するようになりました。

自動車業界の取り組み

自動車は、人命に関わる製品であるため、かなり厳しい基準の管理が求められています。なにか不具合などがあれば、リコールとしてすぐに発表されます。自動車メーカーの場合、万が一不良が発覚したときは、部品メーカーに品質・製造関連情報の提供を3時間以内に求める必要があり、部品メーカーも、データ提供が義務化されていいるので、対応できる体制を整えておく必要があるのです。

トレーサビリティが義務付けられている、牛肉の表示ラベルの見方

スーパーなどでは、外国産の食品を良く目にします。特にトレーサビリティを整えている牛肉には、個体識別番号と産地が必ず表示されています。国産牛、和牛などさまざまな表示がされていますが、意外とその違いや見方が分からない人も多いようです。そこで、和牛・国産牛・外国産牛の違いについて解説します。

牛肉の表示ラベルの記載事項

消費者が購入する牛肉がどのようなルートで来たのかわかるように、スーパーなどで売っている牛肉には個体識別番号の付与が義務付けられています。牛肉のラベルには以下の記載事項がありますので、購入時の参考にしてみてくださいね。
1.原産地(国産や外国産など)
2.名称(牛ももスライスなど)
3.個体識別番号10桁
4.消費期限
5.内容量
6.保存方法(〇℃以下で保存など)
7.加工者

国産牛と和牛の違い

国産牛と和牛の定義は異なります。和牛の定義は以下の通りです。
・黒毛和種・褐毛和種(あかげわしゅ)・無角和種(むかくわしゅ)・日本短角種(にほんたんかくしゅ)の4種類  
・日本で生まれて育てられた牛  
・上の2つの条件が、牛トレーサビリティで確認できること(売られているラベルに個体識別番号が記載され、インターネット上で出身地や飼育地などの情報が確認できる状態)
国産牛は、外国で生まれ育ったとしても、日本で育った期間が3ヵ月以上あり、なおかつ外国より長い場合です。他にも和牛以外の乳牛などのホルスタインの雑種なども含まれます。国産牛は都道府県の地域別産として記載することも可能です。(例えば九州産、北海道産等)

外国産牛は主に2ヵ国から輸入

外国産の牛で日本で消費されているのは、ほとんどアメリカ産とオーストラリア産です。アメリカ牛は、建物の中で飼育し、高エネルギーの穀物飼料で育てられるため、臭みが少なくやわらかい肉が特徴です。
一方、オーストラリア牛(オージービーフ)は、広大な土地で放牧され運動量が多く、牧草を食べて育つため赤身が特徴で、栄養価はアメリカ牛よりも高いと言われています。

トレーサビリティをうまく活用して安全に暮らそう

トレーサビリティは、製品の製造から販売まで追跡できる仕組みを整えることです。特に食品については、2001年に問題になった狂牛病問題でトレーサビリティについて注目を集めました。製品を作る企業側もトレーサビリティを取り入れることで、リスク管理ができ、ブランドイメージも良くなります。私達消費者も、商品を購入するときには、どのように作られたのかを意識しながら消費しましょう。
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